極道の世界ではいつ何事が起きるか分からないが、朝田孝太郎は俺に取っては命の恩人。


組長のお願いは絶対。


俺は妹を道連れに死ぬつもりでいた。


「銀平のことを頼む。今はこの家業を嫌でを出ているが、あいつは必ずここに戻って来るはずだ。その時は銀平を支えてやってくれ。」


若を必ずお守りします。



若はそれから2年ぐらいして、朝田組に戻って来た。


若が朝田組に戻って来たのは、若の弟の亮平君が倒れたからだ。


亮平君は妹と同じ心臓の病気を持っていた。


何回も手術をしたのだが、亮平君の命はもう長くないと知らされ、若は相当辛い思いをしたと思う。


部屋で一人で泣いていたのを何度も俺は見ていた。


若の力になりたい。


若の為なら、この命も惜しくはない。