そんなにこがないで下さい。


「銀ちゃん止めてよね、落ちたら二人とも大ケガだよ。」



それでもこぐのを止めない、銀ちゃん。


話ならブロンコ下りてからでもいいのに。


「これから先も、又真子泣かせるかも知れない。」


え、もうやめてよ。


「もうヤだよ泣くのは。銀ちゃん落ちる。」


本当に落ちます。



「大丈夫だ、俺に掴まっていれば絶対落ちない。これからの俺たちもブランコみたいに、不安定かも知れない。だが、お互いこうやって、抱き締め合っていれば怖くないだろ。」


何で人生をブランコに例えてる訳、怖いのにぃ。


こら、やめんかい!


「俺は真子といれば怖いものなんてねぇんだ。真子は俺にとって最強の女。」


普通こう言う時って、最高の女とか言わない。



「真子は最強で最高の女!」


銀ちゃんが私を抱いたまま、ブランコから飛び下りた。


うわぁ転んじゃうよ。


あれ、大丈夫だ。



銀ちゃんと一緒なら、やっぱ怖くなんかない。


たとえ、どんな怖いことが起きても、二人で乗り越えて行こうと強く思った。