本当は銀ちゃんの過去は知りたくなかった。


でも、考え方を変えると、こうしてここに二人でいることが幸せだと思える。


たくさんの事を乗り越えて、ここにたどり着いたのだから。


「俺は真子を迎えに行く約束した癖に、俺が極道って知ったら逃げたすはず。そう思うと真子に会いに行く勇気がなくなった。」


前の私なら絶対逃げた。


「俺は真子を迎えに行くのを諦めたのに、真子が泣いて俺を待ってるかもしれない。勝手に体が動いて真子の高校まで車を走らせた。でも結局は真子泣かせてばかりだ。」


本当に、どれだけ銀ちゃんに泣かされたか。


銀ちゃんがブランコをこぎだした。


「怖いって、止めてよ、銀ちゃん。」


直ぐに約束を破るんだから。


違うね、銀ちゃんは約束を守って私を迎えに来てくれた。


銀ちゃんが極道だったことには、かなり驚いたけど、どんな銀ちゃんも嫌いになんかなれない。


バカみたいに銀ちゃんが好き。


多分、私の方が銀ちゃんを好きな範囲が広いと思う。


どんな銀ちゃんも好きだし、好きだから、銀ちゃんが悪さをしても、許せてしまう。


これが惚れた弱みって言う、やつですか。