銀ちゃんなんて、大嫌い。


直ぐ暴力振るうし、嫉妬深くて嫌なことあれば酒に逃げて、女癖が悪い。


普通なら、こんな男いらないはず。



こんな男を好きな女がいるだなんて。



その女は大バカ野郎だ。



それが私だなんて認めたくない。



バカらしくて、本当にやってられないし。


銀ちゃんは私を抱き締めたまま、離そうとしてくれないけど。


先ずは、目の前にいるこの女をなんとかしないと不味いのに。


「いつまでそうやってるの銀平。その女と別れるんでしょ。私はこういうとこで、暮らすの夢だっ。」


このバカ女!


銀ちゃんは何でこんな女にひっかかってるのよ。


私は銀ちゃんの腕を押しのけて、もう一人の摩子に近づいた。


「おいそこの女、頭悪いんじゃないの。極道をなめたらいかんぜよ!」


口をぽかんと開けたままの、あほ面女。


出て行くはおまえだ。


分かったら、直ぐに出て行くことね。


私を怒らせると怖いから。