銀ちゃんに全部話そうと思って早く帰ってきたのに。


銀ちゃんは私の気持ちなんかどうでもいいんだ。


本当に頭に来た。


「キャバクラ行った後は何処に行ったの。キャバクラは朝までやってる訳。 」


銀ちゃんが不満そうな顔をする。


なんで、そんな顔をするの。


「真子は俺を疑ってるだろ。俺が浮気を認めたら、俺と別れるつもりか。」


何でそんな事を。


銀ちゃんが見せた、初めての冷たい顔。


銀ちゃんじゃないみたい。


「浮気を疑われてもしかたないな、今までが今までだから、真子はいつも我慢してたんだろ。本当は怒りたい癖に、ずっと我慢してたんだよな。」


何を言ってるのよ。


勝手なことを言わないで。


「こんな俺を嫌いになるよな、真子がマサに惹かれる気持ちが分かる気がするよ。」


何で今マサさんの話が出て来る訳。


バカみたい。


私の気持ちを少しも分かってないなんて。


「今の真子の頭の中はマサの事で一杯だろ。そんなにマサがいいなら、マサと一緒になれよ。いつでも別れ、」


もう、いい。


どうでもいいや。


「最低!銀ちゃんなんて、大嫌い。」


「そうだな俺は最低な男。大嫌いで結構、暫く屋敷には帰らないから、真子はここにいていい。じゃぁな。」


銀ちゃんが片手上げで出て行った。



何でこんな事になってるのだろ。


私が銀ちゃんをここまで、追い詰めたの。


自分を攻める事しか出来なかった。


気持ちが離れていてしまうのが、こんなに怖い事だと思いもしなくて。

私はどうすればいいいいのか。


広いお屋敷の中に、一人取り残された気分だった。