どうして分かったの。


会いたくなかったのに。


「なんでここが分かったんだ。」


銀ちゃんが鼻で笑う。



「おまえがやりそうな事なんか、お見通しだ。真子を連れ去った時、おまえの車を見た奴がいて、後をつけさせたんだよ。」


何よそれ、後つけさせたわりには助けに来るの遅くない。


会いたくなかったけど、早く助けに来て欲しかった。


「真子、悪いな、酔っぱらってのびてたからさ。」


それで、遅くなった訳ですか。


あり得ない、銀ちゃん何考えてるのよ、私は大変な目に合ってたんだから。


銀ちゃんを睨んだ。


「早く真子を下ろせよ、真子はおまえなんかにやらないよ。」


「嫌だって言ったらどうする。」



「腕ずくで取り返す。」



喧嘩はマジヤバいから。


こう言う時はどうしたらいいの。


「ちょっと、二人とも止めなさいよ。」



酒井修司が私を下ろした。



待って、ナイフ持ってたよね?


止めてよ!


何でそんな物持ってるの。



まさか、ナイフで銀ちゃんを刺すつもり。



酒井修司はそんな卑怯な男だったの。



殺人犯なんかになってどうするのよ!


何とかして、止めなきゃ。


止めてみせる。