だから、強い決意をして5才の真子と約束した。


真子に俺の思いが伝わるのかは、分からなかったが。


【真子が17才になったら、必ず迎えに行くから、俺のお嫁さんになってほしい。】


真子は恥ずかしそうに頷いた。


たまらなく可愛い。


「ずっと、銀ちゃんが迎えに来るの待ってるね。」


真子は泣きたいのを我慢して、どうして俺に会えないのか、聞いては来なかった。


寂しい思いをさせてごめん。


俺は高校入学と同時に家を出た。


極道の親父から逃げたくて。


真子には寂しい思いをさせるけど、真子なら絶対俺を信じて待ってくれると思った。


後で分かった事、朝田組の幹部、叶鉄二の娘が真子。


真子は父親のことは全く知らない。


その事実をいつ教えたらいいのだろ。


真子は俺が極道だと知ってあんなに驚いたのに、父親までが極道と知ったら真子はどうなる、そう思うと父親の事は言えないでいた。


真子が父親の事を知ったらどうなるのか。


不安でたまらない。