でも、落ち着かない。


体の震えが止まらなかった。


「おまえはウロチョロするな、俺の隣に座ってろ!」


みんなに挨拶がしたいのに。


座っていると落ち着かない。


「真子、いいから座れ。」


無理矢理銀ちゃんの隣に座らされ、朝田組三代目の襲名披露が始まった。


鉄二さんの進行で滞りなく襲名披露は行われていて。


私は朝田組三代目の朝田銀平を見つめた。



隣にいる銀ちゃんが、遠くに感じるのはどうしてなのか。


何でこんなに不安なんだろう。


私はこうして朝田組三代目、朝田銀平の妻だと認められたのに、胸が苦しくて不安に押し潰されそうだった。


母さん、助けて。


父さん、私の側にいて。


銀ちゃん、怖いよ。


絶対、何かが起きる。