俺も当日どれだけの人が集まるのか、分かっていなかった。


真子は信じられないみたいだが。


「300人以上の人が来るの。 」


驚いた顔の真子も可愛い。


「今回はもっと多いかもな、鉄二どうだ? 」


「名簿で調べた所、500人近いかもしれないです。」


真子がうとうとし始めた。


「おい、真子寝るな。」


何処でも寝れるのが真子の取りえらしいけど。


どう考えても寝すぎだろ。


「当日私が店休んで真子についてるわ。色々と心配だし、なんかあってからでは遅いし。」


ありかだいけど。


襲名披露当日何が起きるか分からない事を、まだ真子に言えないでいた。


「麻美さん今はそれ以上は、真子には又俺から話ますから。」


心配かけてすみません。


「分かってる、銀平さん。真子を頼んだからね。」


「鉄二、今日はもう帰っていいぞ。」


麻美さんと鉄二が並んで歩く姿を眺めていた。



鉄二と麻美さんの後ろ姿が幸せそうで、俺は嬉しい。



「母さん、なんか若返っちゃったみたいだね。」


起きててのか。


麻美さんは益々綺麗になってきたし。


鉄二に愛されてるって訳だ。


何年か先、鉄二と麻美さんのようになれたらいいなぁと思った。


真子と一緒に幸せになりたい。


平凡な生活を送りたいと、心から願った。