広いお風呂は檜風呂でなんか温泉みたい。


足伸ばせるし、気持ちいいなぁ。


幸せ。



バタン!


え、今のは何の音?


そこに腰にタオル巻いた銀ちゃんが立っていた。


何で入ってくるんですか。


銀ちゃんが湯船に入って来た。


「気持ちいいだろ。」


お風呂は気にいりましたが、何で銀ちゃんが入って来る訳。

まともに銀ちゃんを見れない。


「目そらさず俺をしっかり見ろ。」


銀ちゃんが後ろを向くと背中に刺青があって、映画で見たのと同じだ。


驚きで声が出ない。


銀ちゃんはやっぱりヤクザなんだ。


もしかしたら、違うのかも知れないと思った私がバカだった。


涙が溢れる。


「この刺青は亡くなった弟の為に入れた。弟は病気で亡くなったんだ。生きていれば真子と同じ17才になる。」


そうだったんだね、そんなの辛過ぎるよ。


銀ちゃんがどんなに辛かったと思うと、胸が苦しくてたまらない。


そっと、その刺青に触れてみた。