私は病院の中庭に出た。


ベンチに座り時間を潰す事に。


純ちゃんは銀ちゃんに何を話しているんだろ。


純ちゃんの顔は真剣だった。


なんかヤナ予感がする。


純ちゃんの病室の前まで行くとドアが少し開いていた。


中から純ちゃんの泣く声が聞こえる。



《. . . . が好きなの。私気持ちを分かってほしい。私を女として見てほしい。私には時間がない。だから. . . . . 私の側にいて、. . . . . お願いだから私. . . . . 困らせてごめんなさい。. . . . . 好きなの。》



「純の気持ちは分かったから。」


銀ちゃんが純ちゃんを抱き締めた。


銀ちゃんの腕の中で声を上げて泣く純ちゃん。


純ちゃんは銀ちゃんが好きなんだ。


何故か涙は出ない。


私はここにいちゃいけない。


そう思った瞬間、走り出していた。


とにかく遠くへ、誰にも見つからないように、遠くへ行かなきゃ。


胸が苦しくて、もう走れない。