それでも俺の気持ちは収まらず、真子を攻めた。


このままで言い訳がない。


「自分の父親が極道だから朝田銀平を選んだのか。そんなの間違ってる。」


「違う。私の父親が極道だと知ったのはつい最近の事だから、私は銀ちゃん以外の人を好きにはなれないの。」


俺は何も言えなかった。


完全に負けたと思っていると。


「君がどんなに真子を思っても、真子の気持ちは変わねぇんだよ。真子と俺の絆はそんな簡単なものじゃない。真子と俺は12年間お互いを思って生きてきたんだ。」


どうして、ここに朝田銀平がいる。


「真子の事は男らしく諦めろ。真子帰るぞ、結香ちゃん、ここまで案内してくれてありがとうな。」


簡単に真子を連れ去る朝田銀平。


悔しくて泣けた。


俺は朝田銀平に完全に負けたのだ。


悔しいけど仕方ないか。


俺は本当に情けない男だな。