勇気を出して、昼休み仁に声をかける事にした。


かなり機嫌が悪いみたいだけど。


「部活に出てないって聞いたけど、なんで。あんなにサッカーを頑張ってたのに。」


仁が私を見た。


何だか怖い。


「俺が部活やれば俺と付き合ってくれる訳。」


意味が分からない。


「何であんな男がいいわけ。あの男の事をおまえは知ってんの。あいつは、」


何を言いたいの。


まさか、銀ちゃんがヤクザと言う事を知ってる。


「知ってるよ。銀ちゃんの全て知った上で、銀ちゃんといる事を選んだ。」


仁がいきなり立ち上がった。


こんな怖い顔をした、仁を見たことがない。


「おまえはバカだろ。絶対後悔するよ。泣かされて、ズタズタになった真子を見たくねぇよ。」


仁。


仁は椅子を蹴飛ばして、教室から出て行った。


仁に銀ちゃんの事知られたみたいだけど。


言い訳するつもりはない。


銀ちゃんの全てを受け入れて、私は銀ちゃんと一緒にいたいと思った。


この気持ちは絶対揺らいだりしない。


仁と話さなくちゃ。


このままにしては置けない。