俺の思いは届くはずもなく。


今日は若と真子の結婚式。


真子の花嫁姿は本当に綺麗で。


真子の幸せそうな笑顔を見たら、俺は二人の結婚を阻止する事が出来なかった。


麻美に真子の事を話すと、麻美は全てを知っていたという。

「鉄二仕方ないの。真子が選んだ人だから、真子が幸せなら私はいい。」


簡単に決めるなよ。


若は朝田組の組長になる人間。


いつも危険と隣合わせ。


真子が心配で、俺はどうにかなりそうだ。


俺は狡い人間だから。


同じ屋敷内にいながら、極力真子と顔を会わせないようにした。


俺に取っては組長の言い付けは、絶対だ。


真子、ごめんな。


弱い俺を許してくれ。


これからは陰ながら、俺が真子を守る。


この命に代えても真子を守ってみせるよ。