父さんと向き合って話すのは初めてだった。

緊張感が半端ない。


「鉄二さんは私のお父さんですよね。」


鉄二さんが頷く。


「父さんと母さんの出会いを教えてほしい。母さんが20才で父さんが17才の時、私は生まれたんですよね。父親が極道でも私は一緒にいたかった。」


母さんが泣き出した。


ごめん、母さんを泣かすつもりじゃないの。


私は自分が生まれた時の事を知りたい。


私は望まれて生まれて来たのだろうか。


どうして父さんは、私たちと離れて暮らす事を選んだの。

今の私はどんな事を聞いても驚いたりしない。


お願いだから真実を話してほしい。


私に子供が出来た時、自分に自信が持てなくなりそうで怖い。

自分の子供を愛してあげられるか不安になる。


だから、本当の事を教えて下さい。


もう逃げたくないんです。