でも、鉄二さんは怒ってるように見えた。


まさかの乱闘。


｢何で真子なんですか？若に似合う女はいくらでもいるはず、俺の事で麻美を苦しめてきたのに、何で娘が極道と結婚しなくちゃいけないんですか。」


やっぱり、怒っていたんだ。


どうしよう。


「組長に何回も説得され、渋々認めたけど納得していない。今からでも遅くないですから、真子を麻美に返してやって下さい。｣


鉄二さん。


ごめんなさい。


｢悪いが鉄二の頼みでもそれだけは聞けない。鉄二が麻美さんを選んだように、俺も真子でないと駄目なんだ。真子しか考えられない。｣


銀ちゃん。


鉄二さんの苦しそうな顔を見ていられない。


私も銀ちゃんでないと駄目。


父さんを苦しめて本当にごめんなさい。


この思いをどうやって、父さんに伝えたらいいのか。


ない頭で必死に考えた。


もう、銀ちゃんと離れられない。


父さん、お願いだから、許して下さい。