2つに分かれた編成で、私たちの班は演奏曲に“ホールニューワールド”が追加された。


さやかさんへのレクイエムだと部長は言った。


そして、バンドフェスタ当日――。


私たちは練習室に集まっていた。


「何だコレ! 編成名変わってる!!」 


日程表のパンフレットが演者たちに渡った。


そこで部長が声をあげた。


『公園前、11時 ○○大学 モエギガスキダ』


ギョッ。


もえぎが好きだ。


何コレ。


「聖二〜、オマエ〜」


パンフ係は聖二だった。当然部長は彼にくってかかった。


「“レンシュウギライ”よりもいいでしょ」


「“モエギガスキダ”なんて俺に関係ないだろ」


「別に、部長の言葉だなんて、誰も言ってませんよ。俺も、皆も、もえぎのこと好きだし」


「――ぐっ」


部長は言葉に詰まった。


「“モエギガスキダ”のみなさ〜ん。衣装届きましたよぉ」


と、音々先輩が段ボール箱を運んできた。


私がその箱を預かり、開封した。