「ええ、はい」


『優人をよろしく頼むわ。彼には幸せになってほしいの』


「だけど、私なんかが……」


『優人にはあなたが必要なのよ』


先輩は、本当に部長のことを心配しているようだ。


盛夏がもうすぐやってくる――。


8月になれば、サークルの練習もお休みになる。


それまでに私、部長がお酒を飲んで苦しむことのないように、支えてあげたい。

「んー」


私は夕空に向かって大きく伸びをした。


スキとかキライとか。


恋愛だとか何だとか、そういうの抜きにして。


部長の傍に、いたい。


ごめんね、聖二。


私、部長のことが気になるみたい。


これからも仲良くしてくれるかな。


大切な大切な友達。


私は、そうして。


部長から連絡が来る前に“お酒買っていきます”


と、メールを打った。