私たちは、ずっと一緒だった。


睦緒と、莉胡と、聖二と、私。


4人で、仲良しだった。


けれど。


聖二が私を好きだなんて。

彼女と別れていただなんて。


私――。


「いいんだ、もえぎ」


「――?」


「俺、ずっと見てたから。もえぎのこと、見てたからさ。オマエが誰を見ていたかっていうの、知ってる」

部長のことか。


やっぱり気づかれていた。

「ただ……最近、急に仲良くしているみたいだからさ。もえぎたちがつきあい始める前に、言っておきたかったんだ」


部長と、私がつきあう――。


つき合ってると言えば、つきあってるけれど、それはまさしく言葉上のだけのもので。


恋仲にあるというわけではない。


「せ……」


私が聖二の名を呼ぼうとした時、カバンの中の携帯の着信音がした。


「ほら、部長からじゃない?」


「……えっと……」 


私がカバンをゴソゴソとしているうちに、聖二は立ち上がった。


「幸せになってよ。どうやら俺じゃ無理みたいだから」


「聖二……」


私の呼びかけに、一度振り向くと、彼はそのまま、歩き去ってしまった。


聖二――。