「ほら、ポカリ」


「すみません」


「あはは、そんなに恐縮しなくていいのに」


おでこにかかる前髪が気になるのか、部長は小指でおでこをかきながら笑った。

「じゃ、行ってくるね」


「あ、はい」


「ゆっくりしてな」


「はい」


なんか、面倒見いいんだな。


部長の役を担ってるだけあるよな。


私は部長の言葉に甘えて、ロフトによじ登った。


そこには本やらCDやらがきれいに整理されてあった。


部長って、几帳面なのかどうなのか本当、解らん。


この部屋の惨状、カーテンとか壁とかは酔った時にやったものなんだろうな。


“暴れる”って、このことだったんだな。


だけどゆうべは、暴れてなかったんじゃないかな。


私がいたからかな……?


ああ、痛っ。


あたまがズキズキする。


私は部長の布団に横になり、いい香りのするタオルケットを鼻までかぶった。


ゆっくり眠ろう――。