「えぇ、言われてましたね。でもこちらからも言いましたよね?」剣の上から下へと血が流れていった。
 「私も終わりだが、ガイアント、お前も終わりだ。」
 「この城で貴方と戦うんじゃなかった…こんなドジ初めてですよ。血を踏んでいたなんて、天は復讐者の味方だったんですね。」
 「いいや。私の意地だよ。ここでむざむざ殺される訳にもいかないんでね。」
 「…無茶苦茶な人ですよ。貴方は。」
 「部下には無茶しないって言っちゃったんだけどな。お前も不運だな。ここ以外の場所なら死ぬ事にならずにすんだのに。」
 「過ぎたことに興味は無いですよ。まぁ〜例外としてあの爆発は驚きましたよ。あれで私たちの主力部隊はほぼ壊滅しましたからね。」ガイアントは咳込み口から血が垂れた。どちらともなく二人は地面に倒れた。
 「ベルカント卿!どこにいらっしゃる。聞こえているのなら返事をしてください。声が出ないのなら物を動かすか、投げるかしてください。」腰まで届く程の長い赤髪の女性が声を張り上げて呼んでいた。
 「エレジー様。ベルカント卿討ち死にとの事です。敵司令官と相打ちだったそうです。」白髪、白髭の老将の男がエレジーに近づき報告した。
 「そうか…。ならばこの城は、私の指揮下に置く。まずは、ベルカント卿の供養!これは一部の者でよい。他の者は怪我人の救出・治療。遺体の収容・身元の確認。終わり次第書類作成・城の修復。暇になったら陛下への報告だ。以上!質問!迅速かつ丁寧にやれよ。」
  「第三派遣隊からの報告書が届きました。読みますか?タガール。」
 「返事送ってないのに、次の報告書なの?相変わらずヤンチャだね〜あの娘は。」椅子に座っている赤毛の短髪でハンサムの男は軽くぼやいた。横にいる眼鏡をかけた肩まで届く金髪の女性も肩を竦めた。
 「タガールが甘いからですよ。しっかり指導するときはしないといけないんですからね。分かりましたか?」
 「はい…。気をつけます。」
 「分かってくれれば結構です。では読みますよ。」
 「何を?」
 「報告書!暗殺しますよ。そのうち。」  「勘弁してください。」と、言いつつきっと眉間に皺寄ってんなこれ、見えないけど。と心の中だけで呟いた。