「エレジー様?何故ですかな…。!顔色がよろしくないようですが…。」ヤースの話しを言い終わる前にエレジーは駆け出した。
 そして、湖に到着し、エレジーは水を凍らせるために湖に近づき手を浸しながらスターツのために河を凍らせたように、つぶやき始めた。が、凍るスピードが遅く前へ前へと凍らせていれば手前が溶けていってしまい、溶けた所を再び凍らせていると、奥から溶けていってしまいエレジーは顔に焦りの色が見えてきた。ヤースはエレジーの顔を見て、
 「エレジー様。どうかしましたか?凍る速さが遅く感じますが…。」エレジーは苦笑いを浮かべ、
 「どうやら、敵さんとの相性最悪のようだな。」
 「何故ですか?まだ敵とは遭遇していませんが…。」
 「お前達はな。私は湖をかけて戦ってんだよ…っ。」
 「ただ、この湖が温水だからなのではないですか?」
 「くくく。だとしたら、お前の温水はかなり冷たいんだな。」
 「ではなぜ…?」
 「レイジリアンの力を受け継いだ者がいるのか、または別の何か…ここまで邪魔されるんたら…前者だろうな。」エレジーの言葉にヤースは、しばらく緊張した様子でいた。
 「な〜に、こいつの相手は私がするんだ。お前が緊張してどうするんだ。」エレジーは水面を見ながら、小さく笑った。
 「ダン卿!」半ば悲鳴のような声を上げ、ながら近づいて来る兵士の所へ行き一言二言話した後、兵士は再び走り始めた。
 「どうやら敵も動き始めたようですぞ。私も前線で指揮を取るので、失礼します。」
 「私の護衛はなしか?」
 「大丈夫です。ここらへんは凍っているので、船は近寄れませんし、氷の上を走って来たとしても我々の方が早く着きます。」ヤースは馬に乗り駆けていった。
 「ここらへんの氷は薄く氷の上に乗ることが出来ない。敵の船も自由に動き回れないだろうから、おそらく陸地での決戦となるだろう。皆の者!犬死にするな!…と、ダン卿も言われている。」とヤースと一言二言話した兵士が伝え回り終えた頃、ヤースを見つけ近寄った。
 「ダン卿!伝え回ってきました。」
 「おぉ。すまなかったな。」兵士は顔の前で手を振りながら、
 「いえいえ、当然の事をしたまでです。」
 「…。名は何と言うんだ?」
 「カッセです。」