河沿いを最前列に三人の騎兵隊がおり、その後方に約五万の騎兵隊がついてきていた。最前列にいる者は、白髪で白髭の老将ことヤース、長い赤髪の女性事エレジー、金髪のメガネ娘事スターツがいた。後方の部隊の少し前にいる男がいた。その男には茶髪で他の所に特徴がない。だが、その男はスターツの右腕として活躍している。その名は、ランス・リードである。ランスは部隊を上手く操り追い掛けた。彼女達は馬で駆けながら話していた。
　「リフレント卿後どれぐらいですか？」
　「見えてきましたぞ。」
　「よ〜し。サース卿行くとしましょうか？ヤースは私が戻るまでこの部隊を頼む。」
　「分かりましたぞ。どうかお気をつけてください。」
　「向こう岸が見れないのですが平気なのですか？リフレント卿。」
　「案外早く地面と再会できますよ。サース卿。ただ、河を渡った後二日から三日かかるけれどね。」
　「一日駆けてまだまだなのですか。」
　「どうしましたか？たかが一日で根をあげるのですか？だらしないですね。」
　「久しぶりだと堪えますね。楽をしていた分、つけがまわったようですね。」
　「そのままでは死にますよ。」
　「分かっています。」
　「少し待っていてください。」エレジーは河に手を浸けて、
　「レイジリアンの水覇術を受け継ぎし我に従え。水よ、凍れ…。アイスバーン！」エレジーの手の辺りから水が凍り始めた。そして、あっという間に河が凍った。
　「…す、すごい。」
　「まぁ〜これぐらい出来て当然。使えば使うほどいろいろな事も出来るようになったし、何より威力が段違いに上がっている。」
　「私ももっと使うように心掛けときます。」
　「ああ。気をつけろよ。では生きてレン城でまた会おう。」
　「生きてレン城で会いましょう。」スターツは河が凍っている場所を走り始めた。その後に約二万の騎兵隊が続いた。
　　「足元が滑るから気をつけろ！」
　「スターツ様。部隊の配置完了しました。」スターツの後ろから声をかけた。
　「ありがとう。ランス。では、移動速度を上げましょうか。」
　「レイジリアンの風覇術を受け継ぎし我が声に答えよ。我らが行動速度を極限まで高めよ。スピードスター。」スターツとその部隊は今までの三倍のスピードで河を駆けた。