「下がってくれないか?」
 「し、しかし…。」
 「下がれって言ってんだろうが!」エレジーは兵士を睨みながら言った。そこにスターツが割って入った。
 「リフレント卿は、規律を守らなくてはいけない立場なのだから…。そのやさしさは、場所を考えて与えなきゃいけないんですから。」
 「…べ、別にそんなつもりで言ったんじゃない。」スターツは兵士に向き直り、
 「さ。行きましょうか。」
 「はい。」
 「反省室でいいからな。それから丁重に扱えよ。」
 「分かりました。ナック閣下。失礼しました。」タガールは壁に寄り掛かったまま頬を掻き、
 「ん〜。大体話したんで、理解していただけたと思うんで解散としますか。作戦開始は、準備が出来次第決めるんで一秒でも早く攻められるようにお願いします。以上。質問?」誰ひとり口を開こうとしなかったので、
 「スターツの準備は、俺がやるので後はよろしく。」タガールは部屋を出ていった。
  その夜。
 「あ〜慣れてないうえに暗くちゃさっぱり分からん。反省室ってどこだよ。俺としたことが…迷ったな。」
 「陛下。このような場所で何をなさっているのですかな?」後ろから声がしたので、タガールは振り返った。
 「やあやあ。ダン卿実は迷子になってしまいましてな。道を教えていただけないでしょうか?」
 「この通路を真っ直ぐ進んでもらいまして突き当たりを右に行けば目的地に着くはずですよ。」
 「そうかそうか。助かりました。ありがとう。では失礼。」タガールは、教えてもらった道を歩き始めた。
 「陛下がこれほど大胆とは思ってもみなかったですぞ。がんばってくだされよ。」ヤースは去り行くタガールに心の中で呟いた。
 「ここか。鍵、鍵。鍵挿す…場所無いじゃん。まぁ〜取りあえず入れるかな。」ドアノブに手を伸ばし回して、引いてみた。開かない。押してみた。やはり開かない。
 「ん〜どうなってんだ?」ドアが左にスライドした。
 「さっきから、ガチャガチャうるさいぞ。まった…く…。なんでお前がいんだよ!」
 「な、な、な、な…どういう事?!何でエレジーがいるの?!」
 「ここは私の部屋だから当たり前だろうが!私はてっきり…。まぁ〜いいさ。入るか?」
 「いや〜ごめんなさい。」タガールは踵を返そうとしたが肩を掴まれ、