「最悪でも傍観しているだけでも構わないんだけどね。敵に回ったらやばいわよね。」
 「そうですな。覇王の力にレイジリアンの力が一つ…これでも分が悪いのに、二人も追加されてしまってはどうしようもござらんからな。」
 「ここで一回レイジリアンの六覇術について認識を高めたいから、現在どこまで使いこなしているのか、教えて?まずは、エレジー。」
 「私は、水を凍らせるやら空気中の水分を集める事も出来、ある程度の圧縮することが出来るが時間がかかる。まぁ…それぐらいかな。多分。」
 「なるほど。では次にスターツ、お願いします。」
 「私のは、移動速度を上げることが出来、対象者が少なければそれだけさらに早く移動速度が上がります。それと、風を刃に変えることが出来ます。簡単に言えばカマイタチみたいなのです。ただ風が強すぎれば制御出来ないのですが。以上で終わりです。」
 「なるほどね〜。だから捕まらなかったんだ。よ…」スターツから異常な程の殺意を向けられ口を閉じた。
 「陛下は、どのような事が出来るのでございますか?」
 「俺のはちゃっちいよ。目眩ましに、弱々しいレーザービームと自分が光源となって周りを明るくすることぐらいかな。多分。」
 「自分が光源!?狙ってくださいって言ってるようなもんじゃんかよ!いらね〜。」
 「いらね〜って…少しひどくない?エレジー。」
 「陛下、それだけは他の人には教えてはなりませんぞ。」
 「なぜです?ダン卿。結構便利なんだけどな〜。」
 「陛下、そのような使い方が出来るとは聞いていなかったのですが。新しい使い方が出来るようになったんなら、言ってほしいと言っておきましたよね?」剣の柄に手を伸ばし、抜きつつ駆け出した。タガールを蹴り飛ばし、壁まで吹き飛び顔の横に剣を突き刺して、にこやかに笑いつつ、
 「約束を破ったらどうなるかぐらい知ってますよね。」
 「ごめんなさい。もうしません。」ヤースは顔から血の気が引いていた。エレジーは、手で額をを押さえながら少し上を向いていた。
 「今の音は何事ですか?!」蹴り飛ばした拍子で出た音を聞き付けて兵士が入ってきた。
 「ダ、ダージリン閣下何をなさっておられるのですか?!」
 「気にするな。いつものことだから。下がってくれないか?」
 「しかし…。ナック閣下。」