「お見事。強いて言えば余分な犠牲が出る事かな。君が発明品を考えるのもこのためだよね。部下達の死が堪えられないためでもあるよね。」
 「ふん。どこまで人の中を見てんだか。分かったよ。やればいいんだろ?完膚なきまでに…。」
 「そお言ってもらえるとうれしいよ。期待しているからね。で、スターツには、北西西の基地を落としてもらう予定だから。それで残りは俺が落とす。」
 「何故陛下が危険な所へ行かれるのでしょうか?」
 「答えは簡単だよ。ヤース殿俺が適任だからだよ。この中では。ちなみに、俺とスターツも力は受け継がれてるわけだから平気だよ。」
 「陛下方はどの力を受け継がれておられるのですか?」
 「あれ?ヤース殿は知らなかったんだっけ?エレジーから何も言われてないの?」
 「はい。知りませんでした。エレジー様からは、あまりその事は聞くなっと言われましたので。」
 「エレジー意外とひどいな。かなり親しい人にも言わないなんて。」
 「ひどくなんてねーよ。普通だよ。あれはあんまり人に知られては意味がない。対策を取られる。良いことなんて何もないだろ?」
 「いや〜あるさ。能力を教えたって事は自分の命を君に預ける。何て言ったら信頼されてるんだ、と思って精進しちゃうんじゃない?」
 「よくそんな考えで生きてこれたもんだ。サース卿陛下の教育係及び護衛係は、貴女の持ち分であったはず。これは一体どういうことなのですかな?このような甘ったるい陛下になるように教育なさったのですかな?」
 「これでも一生懸命教育したのですが…なかなか直していただけなくて。」
 「陛下に対してあまりにも甘すぎなのでは?このような結果になるのなら私が受け持つべきだったようですね。何なら今からでも代わる事が出来ますが、いかがでしょうか?」スターツが口を開こうとしたら、
 「エレジー時間ないから話し戻そ、ね。」タガールが話題を戻すような話しを早口で言った。
 「では、後日話し合いましょうか。コーヒーでも飲みながら…。ね、サース卿?」
 「ええ、いいですよ。リフレント卿。」タガールは大きく息を吸い話し始めた。
 「俺は『光』の力を、スターツは『風』の力を受け継いでるわけさ。ちなみに他の力はサザークル国に一つ。あと二つは、今現在情報無しなんだよ。我々の仲間になってくれれば心強いんだけどね。」