「じゃあ。身体鍛えてやろうか?昔と同じように。」
 「遠慮しておくよ。たぶん死んじゃうから…。」
 「あの申し訳ありませんがそろそろ本題に戻っていただけませぬか?時間もあまりありませんので…。」二人は声のした方に顔を向けしばらく見ていると、いたたまれなくなり言葉を紡ごうとした時、後ろから声がした。
 「貴方方は一体何をしていらしたのですか?」
 「や、やあ…。スターツ。君こそどうしてここに?」
 「部屋まで案内してもらった後、現状把握をかねて散歩していたら、陛下を見かけたので後を付けてみたら、ここに着いていました。」スターツはエレジーに向き直り言った。
 「それから、リフレント卿。いくらここが私的な場所だからっと言っても陛下に対しての物言い聞き流すにしては些か無礼が過ぎるのではないでしょうか?」
 「これはこれは、サース卿ご無沙汰しております。どうやらお体の調子はよろしいご様子でなによりです。ですがこの城に何用でいらしたのですか?」
 「俺のわがままに付き合わせちゃってるんだよ。まぁ〜全員集まったし、本題に入ろうか。」
 「陛下一言よろしいですか?」
 「何だい?スターツ。」
 「リフレント卿に対して甘すぎます。」
 「あはは…。それは…その〜…。」
 「はぁ〜。分かりました。もう聞きませんよ。で、本題って何ですか?」
 「あいつらの最前にある基地を誰がどこを落とすかを話そうかなぁ〜と思うんだけど。」
 「リフレント卿とダン卿にどこに行きたいのか尋ねたんですか?」
 「いいや。」グッと親指を立てながら笑っていた。スターツは頭を抱えながら深いため息をついた。
 「まぁまぁ、ね。じゃあ、始めようか。単刀直入に言えば、エレジーとヤース殿には、ここから北の方角にある湖の基地を担当してもらおうと思うんだけどいいかな?」
 「それは、とうしてですか?」
 「覇王を封印した力…レイジリアンの六覇術を受け継ぐもの、しかも『水』の力を…だよね。だから短時間で攻め落とすなら君しかいないんだよ。やってくれるよね?」
 「そういう言い方はやめてくれ。」
 「なぜ?」
 「断れないだろう。私が断れば攻め落とすのに時間がかかる。そしたら他の国の干渉を受けることになる。違うかい?」