「や…あの、聞きたいことが、あって。」

「勉強？」

「う、うん…。えっと……アンコール＝ワットについて語って欲しいんだけど…。」


「ごめん…私も知らない。」


「じゃ、じゃあ…関係代名詞について…。」

「私よりパパのが専門だよ？…それに、柚樹、そこ超得意じゃん。」


「あ、…そうだった。」


「何？会話にでも入りたかったの？」

柚樹は勉強できる子だし。
この子…英語めちゃくちゃ得意なんだよね。パパに似て。
本当、なんでもパパそっくり。


「…そうだよ。だって…。」


う、嘘…。柚樹、ヤキモチ妬いてるってことだよね!?
なんか変なの。



「いいじゃん、弟も一緒で。
柚樹、っていったな。お前…マジあの教師にそっりだな。
絶対に、学校でモテるだろ。」



「そーですか？多少は親子なので似ているかもしれませんが、そこまで似てないかと。…別に。人並みです。
それから…気安く呼び捨てにするの、やめてくれませんか…？不愉快です。」

うッわぁー、凄い不機嫌オーラ全快…。
柚樹ってこんな顔もするんだ…。
なんか、ヤキモチ妬いたときのパパみたい(笑)


「いいじゃんか。それくらい。…つかマジで似てるな。その目付き。
人並みって…モテない奴らには嫌みに聞こえるぞ、それ。」


うん、今私も思った。やっぱり、思うよね、パパみたいって。
若い頃のパパの写真を見て見間違えるくらい似てる。
パパから見ると、柚樹はパパにも似てるがママにも似てるって言ってた。
もちろん、ママは私と一緒で柚樹はパパに似てるって言うけど。


パパがやきもき妬いたとことかは昔からよく見ていた。
だからか、やきもきを妬いた柚樹がパパと尚更重なって見えた。