「…まさかあの担任が結愛の父親だとは思わなかった。」


「ごめんね…その、言えなくて。」


私は頭を下げて謝った。
だってやっぱ…隠してたわけだし、ね。
隠し事されたら誰だって嫌な気するもん。



「あぁ、いいよ。別に怒こってねえし。
だいたい、これはあまり言える内容でもないしな。

ってか、お前のお母さんマジで若いな。
最初、若くて綺麗だしお姉さんかと思ったよ。」


「よく、今でも姉妹に間違えられるよ。」


一緒に買い物をしているときは特に。
二人で歩いてると、知らない人に話しかけられることもしばしば…。
そんな時、親子だって言っても冗談だと思われることも。
そういう困った時には…ママがパパに電話をする。
するとね、ほとんどみんな慌てて逃げていく。



そんなことを話してると、部屋をノックする音がした。


「はぉい、どうぞ。」


「あ、あの…姉ちゃん。」

「柚樹、どうしたの?」