「…なに?」



俺の視線に彼女が気付いて、云う。



「…別に」



振り向いた彼女は、
後姿に負けないくらい綺麗で。

やはり凛としていて。



思わず、息を呑んだ。



彼女が美し過ぎたんだ。



肌は透き通るほど真っ白で。
手摺りに掛ける細く長い指も。




全てを。
愛してしまった瞬間だった。