......。
あのうさぎは、私を踏んでおいて「えっ?
何か踏んだ?」とも思わず、すたすたと歩
き続けていた。
......ハッ
「まっ、待ちなさいっ!!」
あまりに現実離れした出来事に、つい冷静
に解説してしまった。
うん、これは夢じゃない。だって.....
私は寝てなんかいないんだから!!
ほんの数分前に、仲良しの友達とのお喋り
にちょっと疲れて、この木の下に休みに来
たんだし......。
絶対に眠ってなんか「・・・なにか?」
一人心の中で説明していると、誰かが話に
割り込んできた。
「あ、うさぎ....」
「うさ、ぎ?」
うさぎは顔をしかめて言った。
あれ?私、何か気に障る「・・・・僕は、」
んん?僕は....?
―コホンッ
「僕は、ただのうさぎではないのですが」