「この図書館カードはある本から抜き取ったんだ、その本の題名は『サクリファイス』という本で日本語に直すと『生け贄』と読むんだよ。その本に挟んであった、この図書館カードに須藤さんの名前が記入されていて、しかも事件が起きる前に借りられている…………………可笑しくないかい??興味がないと言っていた須藤さんがこの本を借りているなんて」



亜美は目を細めて僕の手元にある図書館カードを覗きこんだ。亜美は図書館カードに須藤さんの名前と借りた曜日が記入されていたことを知り、亜美は須藤愛弓に疑いの眼差しを送った。



「須藤さん………これはどういうことなの??」



亜美が須藤 愛弓に疑問を放った後に僕はその他にも『魔女狩り』や医療系の本も同じ日に須藤 愛弓が借りていたことを須藤 愛弓に伝えた。



「ただ暇潰しに適当に借りただけよ、偶然が重なることなんてよくあることでしょ、例え私が犯人だとしてもそんなの証拠にならないわ」



「確かにそれだけじゃ証拠にはならない、実はまだ気になることが一つあるんだ」



僕は笑みを浮かべながら須藤愛弓に向かって言葉を発した。



「図書館にはパソコンが設置されてあるんだけど、須藤さんが借りた日にインターネットでナイフ専門のページを観覧した履歴があったんだ」



「そのナイフ専門のサイトを私が観たとは限らないじゃない」



と須藤愛弓は否定したが、僕は須藤 愛弓の嘘の発言に笑い、質問した。



「じゃあ、後ろに隠してある左手のバタフライナイフは何なんだい??」



亜美は号の発言に驚きながら須藤愛弓を見ると須藤愛弓の後ろに小さな鏡があるのに今さら気づいたのだ。


その鏡には須藤愛弓の後ろ姿が小さく映っており、力強くバタフライナイフを握っている須藤愛弓の左手が亜美の瞳に飛び込んできた。