「須藤さん、最近この美島で生け贄事件が起きてることは知っているよね」



僕は須藤 愛弓に訪ねてみた。



すると須藤 愛弓は胸の前で両腕を交差させて腕を組み合わせ喋りだした。



｢最近、美島で起きてる妙な事件でしょ、なんか遺体の背中に生け贄と刻まれてるとかってニュースで観たわ、気持ち悪いよね」



須藤 愛弓は眉間に皺を寄せ怪訝な顔を覗かせた。



僕は尽かさず、この事件に興味は無いのかと須藤 愛弓に伝えたが須藤 愛弓は頭を左右に動かし気持ち悪くて興味などないと僕に伝えてきたので僕はもう一度念押ししてみたが、須藤 愛弓は答えを変えなかった。



そこで、僕はある物をポケットから取り出し須藤 愛弓に見せた。



｢号君、そのしおりみたいなの何??」



亜美が僕の手元にあるしおりを不思議そうな顔をしながら訪ねてきた。



須藤 愛弓も不思議そうに僕の手元のしおりを見つめている。



｢これは図書館のカードだよ、図書館からちょっと借りてきたんだ」



｢その図書館カード??と須藤さんが生け贄殺人事件と何の関係があるの??」



亜美はモヤモヤしながら自分が抱えている疑問を号に伝えた。
須藤愛弓も不思議そうに僕を見ていた。



｢図書館の全ての本には、このカードが挟まっているんだよ、全ての図書館カードには記入欄があって借りた人の名前と借りた曜日が記入されているんだ」



僕は何か言いたそうにしている亜美と須藤 愛弓に一瞥をし、これからがこの話しの本番だと僕は亜美と須藤 愛弓に手振りで合図した。