僕は図書館に入って本棚から適当に本を取り出して人気の少ない窓側の机の端にに本を重ねて置いた。



椅子に腰を落とし、僕は読み始めた。



魔女狩りを読み終わりかけたところで、横の本棚の隙間から覗き込むように僕を見ている亜美の姿が見えた。





本棚の隙間からは亜美の眼から鼻までしか見えないのだが、恐怖で顔が歪んでいるのだとすぐにわかった。


僕にはその光景が囚人が牢獄の中から助けを乞うように見えた。



僕は再び本に目を通す、その本は『サクリファイス』といい、日本語で『生け贄』という意味だ。



中身は、ほとんど僕が知っている内容だった。





次に医学系の本を手にとって読み始めた、内容は手術の行程が事細かく説明しており、腹部を開いている写真も掲載されていた。





次のページを捲る時に、僕はあることに気づいたのだ。



『サクリファイス』『魔女狩り』そして医学系の本にある共通点を見つけたのだ。



ゾクゾクする快感が僕を支配した。





僕は、あの……………。



※連続殺人犯人※



に会えるかもしれないからだ。





その後も快感を噛み締めながら山積みにした本を全てを読みきった。



読みきった後、僕は図書館を後にし、再び暗闇の夜に溶け込んだ。



この暗闇が僕の快感に拍車をかけたのは確かだ。



憶測だが、おそらく犯人は……………………。





『アイツ』だ。