号君は赤松神社の前で足を止めて不気味な笑みを浮かべ、赤松神社を見上げている。



まるで何かを想像してるかのように。



私も少し離れた場所から赤松神社を見上げた。



石段が闇に向かって続いており木々が風で揺れ葉と葉が擦れあっては不気味な叫び声にも似た音色を奏でて私の恐怖心に拍車をかけた。



しかし、号君は赤松神社には行かずまた歩き始め、なんと号君は赤松神社の裏の住宅に入って行ったのだ。



私は住宅を覗き込むように見てみると外見はボロボロで誰も住んではないようだ、どうやら廃墟らしい。



号君は廃墟の玄関のドアを開けて中に入って行ったのだ。



私は覚悟を決めて廃墟のドアに手をかけた。



中は外見よりは朽ちてはないが辺りは暗い。



玄関を入ってすぐに二階に上がる階段があるのがぼんやりと見えた。



なんとなく私は二階に号君が居るような気がした、女の勘は鋭いことは私の勘も鋭いということだ。



間違いない号君は二階に居る。



私が階段を上る度にギシギシと耳障りの悪い音がなる、私の体重が重いのかなと二重の意味で怖くなった。


二階には三つ部屋があり何故か一番奥の部屋のドアが開いてあるのだ。



私は心臓が飛び出るのではないかと心配になりながらドアが開いている部屋へ向かった。



しかし、人の気配を感じないのに私は気づいた。開いたドアの部屋の中には号君は居なかったのだ。



失敗した、まさか一階に居るのかと思った時に、





「亜美、少し聞きたいことがあるんだけどいいかい??」



と私の後ろから聞こえ、私は気絶しそうになりながら振り向くと号君は何かを捕らえて離さないように私を見ていたのだ。