三階に上がり、エレベーターのドアが開いて、やっと窮屈な箱から解放された。





洋服コーナーは若者で込み合っていた、店はブランド別に区切っており各お店の定員が客を手招きして売上を伸ばそうと火花を散らしている。





まさに戦争だと僕は思う。




亜美と僕は各ブランドを制覇した。
僕からしてみればどれも一緒に見えるのだが亜美はかなり迷いながらもスカートとブーツを買ったらしい。


満足感で亜美は荷物をブンブンと振り回しながらエレベーターの前に立っている。




次は四階の飲食店に行こうと亜美が言い出したが僕は嫌々承諾した。


だが、窮屈なエレベーターにもう一度入るのは嫌だと思い、僕は亜美に階段から行こうと伝えた。





すると、亜美は手を繋いでくれたら階段から行ってもいいと手を差し出したのだ。


まぁ、エレベーターよりはまだいいだろと僕は亜美の手を握った。





亜美は驚いた顔で僕の顔を見てきた。多分、予想と違う行動をした僕に驚いたのだろう、亜美の頬が紅葉のように赤く染まって行くのがわかった。





四階に上がり、ハンバーガーショップに入った。
亜美はシェイクとポテトを注文し、僕はコーラを注文して一番奥の席に腰を落とした。





亜美はポテトを摘まみながら好きな洋服ブランドの話を一時間に渡って僕に語ったのだが僕の耳には全然入ってはいなかった。





すると、亜美は島で起きている事件のことを口にした。
なんの目的で人を殺してるんだろうと僕に答えを求めてきた。




亜美の容姿からは似つかない言葉が僕の耳に入ってきた。