『…てゆーか、そんなことでキレてたの？』


「―――ッ！」


何も言えないあたしに、エイジは諦めたように口を開いた。



『…俺、初めから亜紀のことが好きだったんだよ。
だけど、“軽い付き合いなら良い”とか言うから、初めは“それでも付き合えるなら”とか思ってたんだけど。』


そしてあたしの瞳を捕らえ、ニヤリと笑って言葉を続ける。


『…まさか、亜紀がこんなに俺のことが好きだったとは…。』


「―――ッ！
違っ…！」


と、声を上げてみたが、エイジには全てお見通しのようで。


その顔に、悔しくなって唇を噛み締めた。



「…だってエイジ、何もしてこなかったじゃん…！」


『…へぇ。
して欲しかったんだ？』


「―――ッ！」


瞬間、言ってしまったことを後悔した。


そんなあたしの頭をポンポンと叩きながら、エイジはフッと笑う。



『…そーゆーのは、聖なる夜まで取っとこうと思ってたの。』


「―――ッ！」



って、今日ですか？！



「…じゃあ何で、エイジの周りには女の子イッパイ居るのに…。」


もぉ、自分が何を言ってるのかなんてわからない。


ただ、何か言わなければ負けてしまいそうで。



『…あれは、勝手に群がってくるだけでしょ？
俺は、亜紀が好きなの。』


「―――ッ！」



ボンッ！


まさにあたしは、爆発してしまったみたいで。


てゆーかむしろ、爆発して木っ端微塵になって、消えてなくなりたい。