「でも!!
じゃあ何で、毎日夜に電話出ないの?!
他の子と遊んでるからじゃないの?!」


あたしの言葉に、エイジはまた大きなため息をついた。



『…あのさぁ。
俺、そんなことしてないんですけど。』


そして今度は反対のポケットから、何かを取り出した。



『…ハイ、これ。』


「―――ッ!」


エイジの手の平には、ネックレスが乗っていた。


しかもそれは、以前あたしが“可愛い”と言った物だ。



「…何…?
何で…?」


目を見開くあたしに、エイジは少し恥ずかしそうに目を逸らした。



『…クリスマスプレゼントだよ。
これ買う為に、バイトしてた。』


「―――ッ!」



バイト?!


って、このエイジが?!


王様エイジが、バイトですか?!


し、しかも、あたしの為に?!



『…あーあ、ホントはイルミネーションとか見ながら渡す予定だったのに…。』


少し口を尖らせながら、エイジはあたしの首にネックレスをあてる。



「…ちょっと待ってよ…。
だってあたし達、“軽い付き合い”とかなんでしょ?
何で、こんなことすんの…?」


戸惑うあたしに、ネックレスをつけ終わったエイジは、眉をしかめた。



『…それは、亜紀が勝手に言っただけじゃん。』


「―――ッ!」



いや、言われてみればそうかもしれないけど…。


もしかしてこれって、あたしが一人で勝手に勘違いしてただけ…?