仕方なく、大きなため息をついた。


これはもぉ、開き直るしかない。



「…そうだよ、好きだよ!
でも、エイジはあたしのこと好きじゃないんでしょ?!」


『…俺、そんなこと言ってないじゃん。』



ん?


あれれ?



「…へ?
でも、エイジは“好き”とか言ってくれたことないじゃん…?」


『…うん、だって、亜紀が“重いのが嫌”とか言うし。』



えーっと。



「…え?ちょっと待って…?
エイジも…あたしのこと好きなの…?」


恐る恐る聞くあたしに、エイジは当たり前のように大きく頷く。



「で、でも!!
エイジは明日、他の子と過ごすじゃん!!」


『…何言ってんの…?』


キョトンとしたエイジは、首をかしげる。



『…それってもしかして、明日のイベントのこと言ってる?』



へ?


イベント?



『…明日、先輩が開くイベントに呼ばれたから、“顔出します”とは言ったけど?
でも、亜紀も一緒に連れてってあげようと思ってたんだけど。』


「―――ッ!」



“来てくれる”って、そーゆー意味だったの…?



『…もしかして、それで嫉妬してたの?』


「―――ッ!」


瞬間、エイジはニヤついた目であたしを見る。


まるで沸騰したヤカンかユデダコにでもなってしまったみたいに、あたしは真っ赤になる。