開け、ごま。




そんな一言で心の扉が開いてくれたらどんなにいいだろう。



けれども現実は難しい。


もうずいぶん長い間扉は閉まったまま…。




たとえば好きな人の話をしたり、悩み事を打ち明けたり、そんな心をさらけ出すような行為は怖くてできない。



だって、あなたが私の本気を本気で受け止めてくれるなんて保証、どこにあるって言うの?



それで傷付くなら、初めからしない方がいい。




たとえば私があなたを思う気持ちはうんと重くて、あなたが私を思う気持ちはうんと軽かったら、それはどんなに怖いことだろう。



だけども、『もっと私を見て!』なんて強要することはできないよ。


誰をどのくらい思うかはその人の自由なんだもの…。



だったら、初めから思わない方がいい。




でも、やっぱり。


心を閉ざし続けることにも、限界があるみたい。



苦しくて、寂しくて…。


他人は疎か、自分にさえも心は開けられなくなってくる。


きっといつか爆発しちゃう。


そんな開け方、意味がないのに。




でも、やっぱり。


扉を開けてくれる誰かを待ち続けたら、寿命100年の命一つじゃ足らなくて。



自分から開けないと何も始まらないんだ。




扉の向こうに眩しい光が待っている。


そう信じて、一歩踏み出したいよ。