放課後、勇輝は悩んでいた。


6時間目の終了と同時に彩音に言われた事が気になってたからだ。


『ちょっと勇輝、いい?』


『ん?帰りになんか奢れって言っても無駄だぜ?w 今日は持ち合わせないしな』


『ち、違うわよ!ちょっと、大切な話があるだけよ! いい?学校終わったら噴水公園で待ってなさいよ!?』


『いや、用事だったら今でも・・・』


『良いわね!?』


『あ、あぁ 分かったから、威嚇するなって』


(はぁ、彩音の奴、大切な話ってなんだろ、まさか愛の告白!? いや、それはないな。もし、そうなら、何かしら照れたりする奴だしな。じゃあ、いったい何だろう・・・)


「勇輝、北條! 一緒に帰ろうぜぇ~w 駅前のゲーセンに新しい台入ったらしいんだよ、行こうぜ」


放課後になると翼のテンションは1、5倍になる


「ふむ、高校に入ってからは3人で行ってなかったからな、坂内が行くと言うなら俺も付き合うぞ?w」


北條が勇輝に目線を向ける


「あぁ、わりぃ 今日、ちょっと先約あってさ、俺また今度にするわ」


「えぇ~? マジかよ~ まあ、先約じゃしゃーねーか~」


翼ががっくり肩を落とす


「坂内が来ないなら、俺は本屋で立ち読みでもして帰るかな」


北條が続く


「んじゃ、俺 あんまり遅れると、相手にわりぃから行くわ、また明日な」


教室を出て行った勇輝を見送る翼と北條


「なぁ、なぁ 勇輝の先約って誰だろうな?」


「さあな? 他人のプライベートにまで俺は首を突っ込んだりはしない」


翼の言葉に呆れたように言う北條


「女よ。」


そんな落ち着いた声がした。