授業中寝て過ごした勇輝は昼休みに入っても寝たままだった。


「・・・ぃさん、・・・いさん、もぅ 兄さんってば!!」


ガスッ


「ぐぇ」


物凄い頭への衝撃で目を覚ます勇輝


「あら、お兄様、おはようございます(-^□^-)」


「って、お前、その手に持ってる辞書は何だ!」


ズキズキする頭をさすりながら抗議する勇輝


「だって、寝たままの兄さんが悪いんでしょ!? 悪いのは頭だけにしてよね!」


「うるせー!いつ寝ようが俺の勝手だ! で?一体なんの用だ??」


いつものひななら昼休みに入ったからといって、わざわざ起こしに来たりしない。


そう、これには何か裏がある!


「・・・。エヘヘ 兄さん、お金ちょうだい♪」


「!? おまっ! 何でおれがお前に金やらにゃならんのだ!」


「だってぇ~ 今日は学食でお昼食べようと思ってたんだけどお金忘れちゃったんだもん」


そう言ってうるうる攻撃をするひな


「うぐっ その、うるうる攻撃は反則じゃないか!?」


「兄さんは可愛い妹が飢えてるのに見捨てるっていうの!? うっ うっ・・・」


ひなの過剰な嘘泣きに周りが反応し、勇輝泣かせてんじゃねーよとか、お兄ちゃんサイテー等の非難の声が上がりだした


「わかった! わかったー!! ただし、ちゃんと返せよな?!」


「うん♪ そうと決まったらさっそく食堂いこー♪♪」


一転笑顔、そんな言葉が当てはまる今日のひなだった。


食堂についた勇輝とひな。だが、勇輝の睡眠延長に加えて、ひなの三文芝居に時間を取られていたため席に空きがなかった。


正しくは、空いている席はあるのだが2人でテーブルを独占している者がいるので座るテーブルがないといった感じだった。