「なんで、そう思ったの?」

先生はわたしの変な質問に、ちゃんと答えようとしてくれてるみたい。

嬉しいなぁ〜。


「ん〜、車が高そうだから」
思った通に答えてみる。

「まぁ…、お金持ちかもね…」
「えぇえ!?」

まぢっすか!!
こんな答え、想像外ですよ!


「うちのお袋、『PEAT』ってブランドのデザイナーで…」

「うっそ! 『ピート』って、超有名ブランドじゃないですか!」


『PEAT』は今話題の人気ブランド。
女の子の服から、男の子用の小物まで、幅広く手掛けてるんだけど…。


「それに、うちの姉貴はモデルやってるよ」

moaって言う人知らない?、って先生が楽しそうに話している。

「知ってますよ! moaさん、すごく美人ですもん!!」


今まで何気なくテレビで見ていたモデルが、先生のお姉さんだなんて…。

道理で先生は美形なのか、とちょっと納得。

「ほぇ〜。本物のお金持ちなんですね、先生って」
「まぁね」


なんか、自分の話ししてるときの先生って、楽しそうだなぁ。

ふふっ。
ちょっと可愛いっ。



そのあとも、わたしが勇気を出して話しかけたおかげで、会話が切れることはなかった。

「あ、家ここです。」
「ここ?」

なんとか家に到着。
もう今日は先生とさよならかぁ。