『続いて書記より一言御挨拶をいただきます』


さっきの緊張はどこへやら、いつもの笑顔を浮かべて中央に立つと女子生徒が黄色い声を上げる。



「書記になりました、宝城流衣ですっ」


「流衣くん、頑張ってーっ」という声援にも「おうっ!」プラスガッツポーズ付きの流衣にとってさりげない行動が、より黄色い声を大きくさせた。



「流衣ってさ、天然タラシだよね!!」

「…紫苑、うちの幼馴染みの男性陣は皆そうよ…ってステージ上で話すことじゃないわよ…」

「でも流衣は、好きな人一筋だよ?」

「……」


紫苑まで、そうゆうこと言うのね。


複雑な顔をしてると、紫苑が「…ごめん」と謝ってきた。



違うの、紫苑。

一番悪いのは、……あたしだわ。


「ってことで!以上俺の決意表明でしたっ終わり!!」


流衣が帰ってきて、紫苑とナツとバトンタッチをしてあたしの隣に立った。



「心?どした?」

「なんでも…ない」

「無理すんなよ?」



ごめん、ごめんなさい。


流衣。



「え、まじ調子悪いんじゃねえの?保健し…」

「はいはいっ!!ごちゅうもーく!!」

「…紫苑」