「決まったーっ」


そんな紫苑の嬉しそうな声が響き渡るけれど、紫苑の隣のとなりにいる人物のオーラによって誰も喋れないような雰囲気になっていた。

…あたしたちは馴れてるけれど先輩たちにはまだキツいみたいね…。



「音弥」

「…んで、俺なんだよ」


心底めんどくせぇオーラを発してる音弥に苦笑いを溢し、先生に出す書類に記入していく。



会計がナツと紫苑で書記が流衣。副会長があたしで…会長が音弥になった。



「仕方ないでしょ、音弥なら色々と顔が利くんだから。運営において、楽だもの」

「厳つい人たちに顔が一番利くの音弥じゃんっ」


そう言ってもなかなか音弥の眉間の皺は取れない。



「うし!音弥、ナツんち行ってゲームでもしようぜ!」

「音弥、来て」

「……」


首を軽く縦に振り、諦めたのか溜め息を吐きながら用紙に【如月音弥】と記入した。



「え、ずるい!!あたしも行きたいっ」

「紫苑、暴れんだろ!!」

「暴れないよっ」

「ゲーム、捨てた気がしてきた」

「ええっ!?」



最後に自分の名前を書いて、大騒ぎしている幼馴染みたちのもとへ向かった。