「ようこそシンデレラ」



重い扉の先には、夜の遊園地のような世界が広がっていた。



そこであたし達を出迎えたのは、お洒落なエリートサラリーマンのようなスーツ姿の男。



男はあたし達に深々と頭を下げた。



「優夜と直指名~♪」


「こちらへどうぞ」





男に続き、店内に足を進めて行くと、平日だと言うのに沢山の人。



グラスの飲み物を一気に流し込み、誇らしげな表情を浮かべるホスト

上目遣いで甘えるように、ホストに寄りかかる女



その奥に渦巻くモノを、想像しただけでも身震いがする。




「直って人指名したの?なんで?」


「だって結華~目がハートだったじゃん♪」


「別に指名しなくたっていいのに……」




あたしと麻奈は案内された席に距離を置いて座り、あたしは薄暗い店内を見渡した。



ホストクラブ……



あたしは苦手だな……