「お願いします。」


前田さんの言葉と、自分の張り手を喰らった俺は、冷静さを取り戻した。



指名、入ってるんだった。




くそ!まだ番号も聞けてないのに!

もっと話せばよかった!

もう帰っちゃうかな……





そうだ!



空っぽの脳みそで、短時間で必死に考えた結論


「お願い!ラストまでいて!!終わったら飯でも行かない?」


俺は迷わず口に出した


「え…帰るよ…今日お金持ってないし…」


「全部俺が出すから!いくらでも飲んでていいよ!」


「いや、でも…」



必死の説得も虚しく、困ったような表情の天使



あぁダメか……

他の女ならひょこひょこついてくるのに……

でも……このままなんて………



「え〜!!いいの〜!?直の奢りだって〜♪終わったらみんなでカラオケ行こ〜!
優夜も行くよねっ?ねっ♪」



ま!!麻奈ちゃんナイス!!!



麻奈ちゃんのナイスな言葉に俺は小さくガッツポーズをした。