「おい!詩織もいれろよ!」


「やだ!!最近の直なんか変だもん!!」


「はぁ!?何様のつもり!?」


「直こそ何様のつもりよ!!」


「てめぇ!!わけわかんねぇ事言ってんじゃねぇぞ!!?」



思わず怒鳴り声を上げた瞬間



ホールに俺の声が響き、静まるのがわかった







「おい!お前もう帰れ!!どうかしてるぞ!!」


「………ッたく!!どいつもこいつも何なんだよ!!」




俺はカウンターの椅子を思い切り蹴飛ばし


「んじゃ帰らせてもらいまーす!!」



前田さんの顔の前で満面の笑みを浮かべて見せた後、店から出ようとすると




「直さん!!」


一也が後ろから俺の腕を掴んだ




「一也、お前まで俺に指図すんのか?」



「いえ………結華さんと……何かあったんですか?」



「はっ?結華?誰それ?」



「えっ……?すいません。何でもないっす…おつかれさまです……」



「チッ!!」