名前……
天使にもきっと名前はあるだろう……



「あ、あの……
名前は?……」


知りたい
君の事を知りたい


「結華です。」


ゆいか………


そう名前を口にする天使の声は想像よりも少し低い


「麻奈ちゃんと仲良いの?」


もっと知りたい
もっと声を聞きたい


「うん。仲良いよ。」


気だるい、艶のある声に、俺はどんどん引き込まれていった。







このまま途絶えてしまいたくない……


繋がりたい……


少しでも近付きたい……


「番号かアドレス教えて頂けませぬか?」


心臓が飛び出そうな程の緊張の中、勇気を振り絞って俺は口に出した。


「……………」


一瞬間が空いた後、天使は少しはにかみ


「プッ」




プッ?

今笑った?




眉を下げて少し微笑んだ。