その後りおちゃんは病室に移されたものの、麻酔のせいか意識はまだ戻らない。





「直くん。神様はどうして私から色んなものを奪ってくのかなぁ……」



「香織さん……」



「もし……りおに障害が残って……元気に生きられなかったら――」

「まだ決まったわけじゃないって!!言ってたじゃないですか……」



香織さんはきっと

とてつもない不安に襲われているんだろう




こんな時、誠さんがいれば……





「私が………私がりおの代わりに車に――!!」

「香織さん!!」




俺は香織さんを抱きしめた




もう戻らない人を



もしも……だなんて考えていても仕方がない






香織さんが頼れるのは俺だけだ





今は俺しかいない





少しでも




少しでも香織さんの不安が減るのなら